Taisuki Café

台湾が大好き♡

在住者を悩ますリクエスト 「テレビでやってた!行ってみたい!」

連載:「猫と珈琲、時々おじさん。〜台湾小確幸」

間もなくやってくるゴールデンウィーク。台湾在住の皆様、受け入れ体制の準備はお済でしょうか。

4月に台湾に着任された方は
「台湾いいね!遊びにいくよ!」の言葉に喜んで、
「案内するよ!任せて!」と安請け合いをしてはいませんか。

長く台湾に暮らすお歴々は、そんな無邪気な方々を、菩薩のような生暖かいほほえみで見守っておられることでしょう。そのうち、何年も連絡を取っていない人や、友達の友達のいとこやら、全然あったことのない人からも「案内よろしくね!」とバンバン連絡が入ってきます。それ全部受けて立ちますか?無理無理ふふふ。

日本のゴールデンウィーク期間、台湾は5/1の労働節を除いて平常運転。家族や友だちが来てくれるのはとても嬉しい反面、日々の生活や仕事のペース、家計もしっかり守りたいところ。

そこで、今日はゴールデンウィーク直前企画、「在住者(私と友人たち)にとって旅行者から行ってみたいと言われて困る場所TOP3対策」をまとめてみました。

第三位:鼎泰豐本店

【本音】:
美味しいです。ここの炒飯、大好きです。小籠包につける生姜酢醤油をちょっと乗せると、もっと最高。

だから食べに行くのは全く吝かではないのです。が、週末の90分待ちはあたりまえ、東門を通りかかる台北市民も慄く店の前の人だかり挑むのが、大変しんどい。鼎泰豐はサービスも良いし、台湾と言えば小籠包、美味しいものを食べに連れて行ってあげたいのはやまやまなんだけど、90分待ちはいかがなものか。旅行者には珍しく楽しいから良いとしても、受け容れる側は毎週入れ代わり立ち代わりご案内が続くとなれば、あなたならどうする。さあさあ。

【対応策】:
①「鼎泰豐公式アプリ」(Apple Store 、 Google play)で、待ち時間チェックができるようになりました。基本、予約が出来ないお店なので、これまでは番号を呼ばれるまで店周辺から離れることもできませんでした。でもアプリがあれば呼び出しが近づいているか、チェックできます。思い切って店を離れ、散策や買い物を楽しみましょう。これからの暑い季節、炎天下で入店待ちは体にも良くありませんし、お隣の書店で涼むのも、限度がありますものね。

②本店を避ける。中山の三越や天母店舗の利用を誘導する方も多いようです。

③昼時のピークをさけ、早めの時間に入る。朝から小籠包でブランチ代わりにしてみましょう。

お店の方から聞いたこと。
「帰国当日のお昼の来店は危険です。飛行機に間に合わなくなる可能性があるの。余裕を持ってお食事を楽しめるよう、できるだけ帰国前日までにいらしてくださいね」
かなり真顔で前のめりに訴えかけてきたので、予定を入れる際のご参考に。

第二位:士林夜市
Photo by Atsuhiko Takagi @Flickr ,cc

【本音】:
人混みには行きたくないよー、久しぶりに会えたんだから、ゆっくり座ってお喋りしながら食べようよー。

【対応策】:
①オプショナルツアーの参加を勧める。ガイドさんがいれば安心ですね。

②ほかの夜市を勧める。市内ですと、私は寧夏夜市か、饒河街夜市に誘導します。グルメで食べまくりなお友達曰く「寧夏夜市がイチオシ」とのことですよ。

③ツアーはイヤ、他の夜市もイヤというお友達は、スリやぼったくりの注意喚起をしっかりしてから、行ってらっしゃい!と送り出しましょう。最寄り駅は士林じゃなくて、剣潭だよ!と念を押すのも忘れずに。

第一位:九份

日本から来る人なら、知り合いでもない人を気軽に案内してくれる台湾人でさえ
「九份ですか・・・」
と躊躇う場所と言えば、おわかりいただけるでしょうか。気の置けない友達同士なら、
「台北に住んでいる台湾人は、行かないよね」
と苦笑交じりに言わしめる場所と、肝に銘じた上でご検討下さい。

数年前までなら、台湾に来てくれる友人を私から誘って、九份へ連れ出していました。
台湾人の友達が教えてくれた小さなお茶屋さんが好きで、仲良しが台北に来れば案内し、基隆港を眺め、お茶を飲み、おしゃべりをするのが楽しみだった。台湾茶の作法は見よう見真似だけれど、お茶将軍の役まわりも受け持ちます。

でも、今の九份ブームは日本人だけでなく、韓国や大陸にも及んでいます。あちこちから伸びてくる自撮り棒に行く手を遮られ、頭を狙撃され、「きい」と叫びたくなるのを堪えながら、足元の悪い細い階段を案内していくのが至難の業になっていたある日。

例のお茶屋の前の階段を人がみっしり埋め尽くし、身動きが取れなくなっているのを見ました。まるで花火大会が始まるのを待っているかのような人混み、一方通行になってしまった狭い階段は、下りていくことも、上に戻ることもできないのです。
「おい、動けよ!」と日本語の怒鳴り声が聞こえ、このまま将棋倒しになったらと最悪の事態を想像して、血の気が引く思いでした。
それから私はあの場所を「地獄谷」と呼んでいます。
友達や家族を、週末や祝日の夕方以降に連れて行こうとは、思いません。

九份は有名な映画のモデルになったと言われていますが、数年前に監督自らがインタビューで否定し、台湾でも報道されました。それでもまだ、「あの映画の」と紹介する媒体があるので、見た人が「わあ、行ってみたい」と希望を持つのは仕方ない。モデルかどうかは関係なく、あの提灯が並ぶ景色を見てみたいと思うのもわかります。

他にこんな景色はないもの。

【対応策】:
①朝から昼頃にかけて行く
夜景目当ての観光客が多いので、明るいうちに出かけると比較的歩きやすいです。在住者は「朝九份」が好きな人、結構いるんですよ。小さなお子さんや高齢の方、足元に注意が必要な方は、特に明るいうちに出かけるとより安心です。と、説得するものの、大体スルーされますね。

②平日の夜に行く
上記の大渋滞が起き、地獄谷が現れたのは週末の夜でした。可能であれば、少しでも負担を軽くするように、平日の夜をお勧めします。

③いいお店を確保する
テレビでは、匂いや湿度までわかりません。実際に来てみて「なんか寒いし、雨だし、臭いも・・・」段々顔色が悪くなってくる友人たちを、落ち着ける、静かな茶芸館に案内しましょう。

昼の眺めでも、夜の眺めでも、霧でも、晴れでも良いのです。訪れた日の天気や時間帯によって変わる九份、基隆港の眺め。台湾ならではのお茶請けを珍しがり、かしこまって膝を揃え、おままごとのようにお茶を飲む。そしておしゃべりに花を咲かせていると、あっと言う間に夕暮れから夜景に、景色は移り変わります。

九份から見た雲海。

来るまでが遠いし、帰りも色々しんどいけれど、やっぱり九份はいいところだと思うのです。
ここを訪れた友人たちにとっても、寒かったねー人凄かったねー、でもお茶飲んで笑ったねーと、楽しい思い出になっていればと思います。

これから台湾旅行をご予定の方には、脅かすような内容になってしまったかもしれません。ただ安全に、楽しい思い出だけを残していかれるためのヒントになることを願っています。

そして旅行者を案内する気満々、張り切っている在住者のみなさん。無理のない範囲で対応しましょう。出来ないことは出来ないと、やんわりさりげなく断り、代案を提示して後は解き放つのも、気持ちよいお付き合いを続けるコツですよ。

寄稿者情報

mimi
ライター、コーディネーター、プランナー。
香港で19年生活後、2010年から台北在住。東京出身。
街歩きで出会う猫とカフェ、ブンデスリーガ(ドイツサッカー)観戦が好き。
一丁文化出版(香港)より、日本人からみた香港の人や習慣、広東語の面白さと魅力を書いた
「當抹茶Latte遇上鴛鴦」 を中国語(一部広東語)で上梓。
五月天や台湾、香港の俳優やミュージシャンのインタビュー多数。
個人サイト| 「台北 カフェと旅ノート」

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