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台湾の馬クラブで日本の「馬女子」と出会う

台湾の馬クラブで日本の「馬女子」と出会う

「馬は宿命」と語った馬に生きる女子

山ガール、ご朱印女子、腐女子、狩女など、趣味にはまる女性を表した言葉を聞いたことありますか?女性は流行に敏感で、本気で好きになったら怖いもの無し。中村実希さんの馬への情熱は、前世からの記憶に導かれているかのように、とんでもなく熱いので、彼女と会った途端、「馬女子」という言葉を思い浮かべた。

「鉛筆を持ち始めた時から、馬の絵を描いていました」と語るほど、馬が好きでたまらない彼女は、全く馬とは関係ない環境の家庭出身だったそう。母親は教育に厳しく、馬のためにお金を出すなんて問答無用でした。子供の頃からアクティブな性格だった中村さんが初めてポニーに乗ったのは小学校二年生の時。翌年、父親が車で40分ぐらいのウェスタン乗馬クラブに連れて行ってくれ、その時、初めて大きい馬な乗った。「その時は綱を引いてもらいながらでしたが、段々自分で乗りたいと思うようになりました」と語る中村さん。自ら一人で馬をコントロールして乗ったのは9歳の時だった。「馬は宿命」だと言い切る彼女は、高校卒業して研修生として牧場で働き、週に1、2回のペースで乗馬し、そこで走る技術を身につけた。乗馬する騎手達やインストラクターの手練を観察したそうで、「馬は私の先生」と言った。

誰よりも馬の気持ちを察知し、馬を扱う技術も高い。時代祭を始め、様々なイベントで、馬の口取りの仕事がある。「ぜひ時代祭を見てみたいです」という記者の言葉に対して、中村さんは、「実は、私も見たことないんです。いつも馬の世話をするだけなので。ずっと馬と一緒。お祭りの様子はYoutubeで少し見ましたけどね」と話す姿は、全く残念そうには見えなかった。きっと馬と一緒に歩けることが彼女の中で一番大切なことだろうと、私なりに忖度した。

時代祭の写真。中村さんのFBより。本人の許諾を取り済み。

フェイスブックでは、主に乗馬の写真を載せ、近所だけではなく、石垣島の海岸で撮った楽しそうな馬の写真や、セクシーな服を着て馬と撮影する写真もあったりする。「馬のすばらしさを伝えたい」と語る彼女には、馬の世話をするプロとしての自負が伺える。努力の積み重ねで、馬に携わる仕事が増え、馬を通じて世界と繋がり、今回台湾へ訪れることになった。彼女の乗馬姿を見て、馬場の人たちが驚き、「ヒメ(中村さんの乗った馬)はこんな大人しい子じゃないよ」と、彼女がすぐに馬と打ち解ける実力に舌を巻いた。

中村さんとヒメ。
男の野望:台湾で騎射文化を開花させよう

鷹と馬は、騎射の主役。台湾で鷹と馬の文化を浸透させようとする男たちを紹介します。

台湾では、一部の原住民族を除き、漢人文化にはもともと騎射文化は無く、中国大陸のモンゴルと東北の狩猟地域以外で、主に皇室、貴族の行事の一環として行われてきた。台湾の鷹の輸入は、2003年にWTOに参加以後、六種の猛禽類の輸入と飼育が法律上に認められるようになってからです。鷹に憧れを持っていた陳建宏さん(中華民国馴鷹協会会長)は、猛禽類の飼育解禁のニュースを知り、台湾へ鷹文化を導入しようと決心した。

合法的な輸入と安全な飼育環境の下では、猛禽類は、実は安全で愛嬌のある動物。猛禽類は田んぼの害獣や鳥の退治、空港で飛行機の離発着に影響を及ぼす鳥の威嚇などに重宝される。陳さんは、子供向けの猛禽レッスンなどの活動も行い、鷹匠と言う男のロマンを抱えながら、「鷹」と自然の在り方に思いをはせる。

昨年、モンゴルへ行った陳さんは、カザフ族の狩猟と鷹について学び、「鷹は、人間としっかり関係と築くと、良いパートナーになれる。カザフ族は秋の収穫時期になると、野生の鷹を捕まえ、鷹を馴化するため三日間ずっと鷹と一緒に生活する。鷹は人間の与える肉を食べるようになればもう馴化の第一歩。でも、春になると、鷹を野生復帰させる。自然界のバランスとはそういうもの。僕ところの鷹?野放しないよ。この子たちは人工飼育だし、もう私と堅い関係を築いた。大人しいよ。」と語る。

騎射の教育訓練などについては、新屋馬場の黄世智さんが担当している。

陳さんと比べたら、馬のインストラクター黄さんは、静かで堅実派。クラブの休憩場に馬道具などがずらりと並び、その中に黄さんの「日本大学農学部」の卒業証書があった。尋ねると、家族は日本と関係のある農家であり、長男の黄さんに家業を継がせたかったため、日本の大学へ留学をさせたが、当の黄さんは馬に夢中になってしまい、十年をかけて馬のインストラクターのライセンスを取って、現在はその職に就いている。多彩な馬術レッスンを開設し、初心者から受講出来るレッスンもある。馬に乗って近所の森や海岸へ行く様な、幻想的なプログラムもある。「先日、秘境の森へ行って、水鹿を見かけた」と語っていた黄さんは、なんだか幸せそうに見えた。

日本からやって来る中村さんのような馬の関係者だけでなく、陳さんと黄さんは騎射が好きな人にも場所や施設を提供している。一般の利用者用にも、多様な乗馬レッスンや、鷹匠の実演と体験などを設けており、桃園にこのような乗馬、鷹匠、弓道が共存した場所があるなんて信じられないほど。

流鏑馬の格好良さにずっと憧れを抱いていた中村さんは、日本の鷹匠の知り合いを通して、台湾桃園にこういった場所があることを知り、是非練習させてもらいたいと申し出、今回、念願の乗馬、鷹と弓道の稽古が同時に出来ることになった。中村さんにとってこれ以上ない至福の時間となったようだ。

取材翌日、中村さんは孤児院の子供に乗馬を教えるため、台湾中部の大雪山にある児童施設を訪れたそうだ。

騎射の練習での来台は、今回が初めてだが、これまで台湾に四回も台湾に遊びに来たことがあるという中村さんは、台湾人の優しさと美味しい小籠包に魅了されたと話していた。日本では「鼎泰豐」以外は、あまり美味しい小籠包屋さんがないので、なんと自分で小籠包を作るとか!

♘桃園新屋馬場:HomepageFB(日本語可)
♘中華民国馴鷹協会:FB

寄稿者情報

looky
編集部の猫です。
台湾大学中国語中国文学研究科で修士号を取得。東京大学アジア文化専攻 博士課程満期終了。
オンライン旅マガジン「旅飯」の編集者を経て、現在は「taisuki.cafe.network」の編集長を務める。

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