Taisuki Café

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佳里の郵便局:友が教えてくれた至宝

連載:「台湾日式建築サンポ:都市偵探の楽しい時間」
第 2 回

私には台湾の「友人」がたくさんいる。
しかし、そのほとんどに、いまだに会ったことはない。

日式建築に興味を持ってしばらくしてから、facebookに「台灣日式宿舍群 近來可好」というグループがあることを知った。訳せば「台湾の日式の建物たち、最近どうよ?」という感じか。そこには、有名無名の歴史的建造物の情報があふれていた。
「こんな可愛い建物みつけたよ」
「台北の例の古蹟がリニューアル」
「あの名建築がピンチ」

研究者から市井の人まで、1万5千人を超える台湾の愛好家たちが、連日情報を共有しているのだ。
私はさっそくメンバーになった。
そして次々と流れてくる建物の名前と場所をメモしはじめた。
しかし、それも諦めた。あまりにも膨大な数にのぼったからだ。

そこで作戦を変えた。Googlemap上で、専用の地図をつくることにした。「日式建築map」と名付けて、まずは20件ほどの建物を記入し、「みなさん、お時間があったら『ピンを刺してください』」と呼びかけた。ネット上の地図に、赤いピンを刺すように、個別物件の情報を書き加えていくシステムだ。
「いいね」
「私も書き込んだよ」
好意的なコメントが寄せられ、気づいたら台湾全図が次々と「ピン」で埋まっていった。3週間で200件を超え、3ヶ月を経ずして1000件を突破した。

途中から、「官公庁」「住宅」「工場」などのジャンルに分けてみた。すると台湾の見知らぬ友人たちは、更に「神社寺廟教會」「水圳設施」などのカテゴリーを加えてくれた。すでに私の手を離れ、それは自律的に成長する生き物のようだった。私は、この情報を携帯端末でチェックしながら、台湾のあらゆる町で、多くの「友」に導かれながら、日式建築との出逢いを続けていたのである。まことに、SNS(ソーシャルネット)がなければ、私の台湾の旅は、ここまで充実しなかったといえるのだ。

さて、そんな「友」の中でも、傑出した若者がいる。高雄大学のAndleo Rouens君だ。

 

彼は建築学を学びながら、日本統治時代の歴史的建造物をたいへんな情熱をもってリサーチし続けている。その彼が、特にたくさんの「ピン」を刺してくれたのが「佳里(ジャーリ)」だ。

昨年の夏、高速バスでこの街を訪ねた。

ひとつしかない宿に泊まり、歩き回った。そして私は魅了された。洋館も、和風住宅も、そしてバロック的騎楼も、奇跡のように良好な状態で街のいたるところに残っていたからだ。

そんな中でもピカイチは、これ。かつての佳里郵便局。小さな小さなボディ。切妻の躯体に、玄関の切妻が直交する。そのファサード(正面)には、オランダ表現主義を思わせる放物アーチの装飾。上部の「おでこ」には、持ち送りを併設した破風の飾り。荒々しいドイツ壁に情熱的なオレンジ色の縁取りが印象的だ。その枠は丁寧な洗い出し仕上げ(洗石子)。

前衛的なデザインと、職人の手仕事のぬくもり。それが見事にミックスされているのだ。ずっとずっと眺めていたい。でも、この街にはもっと多くの日式建築があるはずだ……。引き裂かれる思いで、私は佳里の道を歩き始めた。

Photo Credit: 渡邉義孝

〔編集部より〕

現地の友人たちに渡邉さんから感謝を伝えようとする気持ちを汲んで、編集部はこの文章を中国語に翻訳します。「つながり」の有り難さに感謝です。

「原佳里郵便局」,是朋友告訴我的「至寶」。
在台灣,我有很多「友人」,不過其中大多數友人我都沒實際見過。

對台灣的日式建築產生興趣後,我發現了facebook上有個「台灣日式宿舍群 近來可好」這個社團,翻譯成日文,大概是「台湾の日式の建物たち、最近どうよ?」的感覺吧。裡面滿滿的是各種有名或不為人知的歷史建築資訊。

「我發現了這麼可愛的建築喔」
「台北的那個古蹟被都更了。」
「那個有名的建築物危險了」

從學者到一般人,社團裡有超過一萬五千人的台灣同好,每天分享著日式建築的資訊,我也馬上成為會員,然後開始做筆記,記下一直奔流到眼前的那些建築的名字和場所。
但是,後來我放棄了,因為已經達到太龐大的數量。
於是我改變了戰略,在googlemap上,創了一個專門地圖,名字叫「日式建築map」,首先記下20個左右的建築,再向社團裡的朋友呼籲:「大家有時間的話麻煩標記一下。」在這個網路地圖上,就像釘圖釘一樣,可以加上個別物件的建築資訊。

「太好了」
「我也來寫」

有很多善意的留言,等我注意到的時候,台灣全部被「圖釘」填滿了。三個星期就超過了200件,還不到三個月就突破了1000件。我設了「公家單位」、「住宅」「公場」等分類,結果沒見過面的台灣朋友還幫我加上了「神社寺廟教會」、「水圳設施」等分類。那已經離開我的掌控,宛如自發成長的生物了。在台灣的各鄉鎮中,我一邊確認著手機上的這些資訊,讓許多「朋友」引導我持續與日式建築相遇。
真的,如果沒有SNS(社群網路)的話,我的台灣之旅不可能這麼充實的。

在那些「友人」裡,有一些傑出的年輕人,像是高雄大學的Andleo Rouens。他學的是建築,也對日本統治時代的歷史建築很有熱情,一直在做相關研究。他特別為我標出來的,就是「佳里」。

去年夏天,我坐客運到佳里,住在佳里唯一的一間旅館,到處走逛。我完全被吸引住了,不管是洋館、和風住宅、或是巴洛克式的騎樓,在我所經之處,宛如奇跡般,那些建築的保存狀態非常好。裡頭最大的亮點,就是這個—「原佳里郵便局」。主體小小的,它「切妻」(懸山頂)的本體,又和玄關的切妻垂直,正面還設有讓人想起荷蘭表現主義的拋物線拱形裝飾。上頭的「額」部,有併設疊澀的破風(博風板)裝飾。奔放的噴漿牆面上,橘色的框框令人印象深刻。那框是細緻的洗石子。

前衛的設計加上職人手作的溫度,完美地結合在一起。我真想一直一直看著它。但,這個地方應該有更多的日式建築吧……在天人交戰的心情下,我又開始踏上了佳里的道路。

 

Photo Credit: 渡邉義孝

補充|
原佳里郵便局資料
走讀佳里之美

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寄稿者情報

渡邉義孝
一級建築士・尾道市立大学非常勤講師。 NPO法人尾道空き家再生プロジェクト理事。東アジア日式住宅研究会会員。1966年京都府生まれ。神楽坂の鈴木喜一建築計画工房・アユミギャラリーを経て2004年「風組・渡邉設計室」設立。住宅設計の他、民家再生・文化財調査などに携わる。著書に『風をたべた日々~アジア横断旅日記』(日経BP社)。共著に『セルフビルド~家をつくる自由』(旅行人)など。

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