Taisuki Café

台湾が大好き♡

たかおさんの夢。本物のライチが香るクラフトビールと女神のジャム

連載:「猫と珈琲、時々おじさん。〜台湾小確幸」

瓶の中から、本物のライチが香る

「一年のうち65日は玉荷包ライチの育成や出荷、残りの300日は他のことが出来ます」

高雄の芳境農場三代目、玉荷包ライチの達人と呼ばれる許倫肇さんは言いました。

前回のコラム 翡翠のようなライチのために、ネイルを落とす10日間

新鮮なライチを収穫し、食べることが出来るのはとても短い期間だから、ライチの味や香りをいつでも楽しめる商品づくりを、許さんは研究していました。前回ご紹介した冷凍ライチの他に、世界に通用するライチ加工品の開発に力を注いでいます。

台湾が誇る玉荷包ライチのクラフトビールは「たかおさん」

マンゴーやパイナップルなど、台湾フルーツを用いたフルーツフレイバービールはすでにポピュラーになりました。でも、実際に飲んでみると甘ったるい香料が口に残り、ビールの味わいを損なっているものも少なくありません。

「やっぱり普通のビールがいいな。果物はそのまま食べればいい」と、私はフレーバー系を敬遠していたので、許さんが笑顔でビールを持ってきてくれた時、ちょっと困ったなと思いました。

いくら達人の玉荷包ライチが美味しくても、生や冷凍で果実そのものを食べるからこそで、ビールはどうかな…。

グラスに注ぐと、ビールの麦と、ライチの香りが漂いました。

飲んでみると、苦すぎないけれどしっかりとしたいいビールの味わい。その中に、本物の玉荷包ライチの果汁だけがもつ爽やかな甘さが隠れていて、ふわっと花開くような…これは…ライチだ…ビールだ…と、気が付けば飲み切ってしまいました!

製造は、桃園にある北台灣麥酒。台湾で最も歴史のあるクラフトビールのブルワリーで、ベルギービールの製法を台湾で初めて取り入れ、台湾産のフルーツにこだわりを持ってフルーツフレーバーのビールも多く製造しています。

芳境農場の「土地を思う」「長い目で見る」方針と思いが合致し、二年の歳月をかけて玉荷包ライチビール「TAKAU桑」が完成しました。2014年には、アジア・ビアカップ「ベルギービール類」部門で金賞を受賞しています。

「ビールの名前は “たかおさん” です」
許さんは変わらず優しい笑顔で紹介してくれました。台湾で「桑」は「さん」と発音します。「鈴木桑」と書かれていたら、それは「すずきさん」と呼んでいるということ。高雄という土地にこだわり、玉荷包ライチを愛するが故の、可愛くも究極にシンプルな名前になりました。

☆TAKAU桑 芳境玉荷苞荔枝啤酒 330ml 150元

台湾国内のクラフトビール店や日系スーパーでも取り扱いあり。芳境農場からも購入できます。詳細はメールなどでお問合せ下さい。

ライチとローズ、マルベリー。「FLORA」は台湾の花と豊穣を司る花の女神のジャム


ライチをたくさんいただいて、食べきれずにジャムにしたことがあります。結果は失敗でした。台湾の美味しい果物を使えば、素材の良さでそこそこ美味しい、時には「我、天才也。」と自画自賛したくなるジャムが出来るもの。なのにどうしてライチは色も見た目もどんよりとしてしまったのでしょうか。

芳境農場のライチジャムは、意外にも紫色でした。バラのつぼみとマルベリーの個性が強く感じられる色合いです。
「どうしてライチだけで作らないのですか?」
あれだけ玉荷包ライチに強い思いがあるのに、不思議に思って尋ねました。
「ライチだけでは、ジャムは良い香りにならないんですよ。ちょっと生臭いような……あまりいいものになりません」

私は膝をぽんと叩き、自分が失敗した手作りライチジャムのことを話しました。許さんはにっこり笑ってそうでしょうと言うと、芳境農場オリジナルのジャム「FLORA」を紹介してくれました。
「一口食べると、バラの香りがふんわりと感じられます。そして、マルベリーの食感。最後に、ライチの香りが現れますよ」

許さんの説明は、まるでワインや香水を語るよう。そんなドラマチックなことが、ジャムにも起きるのでしょうか。

いただいたジャムを、メイドイン台湾のオーガニックヨーグルトを水切りしたものに乗せてみました。白と深い紫色の調和が綺麗。

私は薔薇の香料が苦手で、ローズ系のハンドクリームも使えません。でも本物の薔薇の香りは好きで、初夏の夕方に咲いている薔薇を見つけて鼻をフンフンするのが小さな幸せ。

この「FLORA」には、そんな自然な薔薇の香りが感じられました。マルベリーの実の柔らかい食感がアクセントになり、最後に口の中に玉荷包ライチの爽やかな甘い香りが現れます。何もかもが確かに存在して現れたのに、うっとりしている間に消えてしまって、ちょっと呆然とする。だからもう一度会いたくて、花と、畑の中へとその姿を探しに行く。「FLORA」は花の女神そのものでした。

許さんは「豆花に乗せても美味しいですよ」と教えてくれました。無糖の、素材の味を楽しめるプルプル系デザートに合わせて楽しめます。紅茶に添えても良いのだけれど、そのまま食べるのが一番贅沢みたい。防腐剤や着色料は使っていないので、開封したら早めに召し上がれ。

台北の店先で手軽に買える有名なジャムは沢山ありますが、まだまだ知らないもの、安心で美味しいものが存在しているのが嬉しかった。「FLORA」は1瓶170g入りで350元。台湾フルーツジャムが好きな方なら、絶対に試してみるべき一品です。私も今度のお土産や贈り物にするつもり。オンラインショップで購入できるので、台湾在住の方は勿論、旅行で来られる方も問い合わせをしてみてくださいね。

オンラインショップ【芳境合作社】芙洛拉果醬_玉荷包桑葚玫瑰口味1瓶(每瓶170G)

短い期間しか流通しない玉荷包ライチの風味と味わいを瓶に詰めて、一年中その味を楽しめるように、世界中の人へ届くように。試作と研究を重ねて商品づくりを続ける玉荷包ライチの達人の自信作は、まだ生のライチを知らない人びとにも届いています。長い夏のあいだのほんの僅かな期間だけ実る玉荷包ライチはそんな人たちにとって夢の果物。台湾・高雄の誇り、人びとの宝物です。来年はどんな実が生り、次にどんな商品が生まれてくるか。玉荷包ライチの達人の背中に期待しましょう。

芳境農場

電話:07-6651437/0915-900915
FAX:07-665-1068
高雄市旗山區旗南三路232之16號
a25882043@yahoo.com.tw
URL:http://yuherpau-litchi.com/

高雄市政府の玉荷包ライチ広告 10秒頃に、許さんも笑顔で登場します

寄稿者情報

mimi
ライター、コーディネーター、プランナー。
香港で19年生活後、2010年から台北在住。東京出身。
街歩きで出会う猫とカフェ、ブンデスリーガ(ドイツサッカー)観戦が好き。
一丁文化出版(香港)より、日本人からみた香港の人や習慣、広東語の面白さと魅力を書いた
「當抹茶Latte遇上鴛鴦」 を中国語(一部広東語)で上梓。
五月天や台湾、香港の俳優やミュージシャンのインタビュー多数。
個人サイト| 「台北 カフェと旅ノート」

コメント一覧

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  1. By 山本 宏二郎

    マルベリー。ベリー系の果実でも何だろうと調べてみると桑の実でしたね。桑の木は私が現在住んでいる地域では見かけることはありませんが、子供時代を長崎島原地方の片田舎で育った私にとって、当時はまだ普通に見ることが出来ましたし、幼馴染みと海や山を走り回って遊びながら、畑で黒く熟れた実をちぎって食べた思い出がふと蘇りました。昭和の子供時代の良き思い出ですね。
    台湾の市街地でもそういう良い意味での昭和の匂いが感じられ、私が台湾が好きな理由のひとつでもあります。
    稀少なライチと桑の実薔薇のジャム。農場の人たちの笑顔からも美味しさが伝わってきます。冷えたライチフレイバービール。ウマイだろうな、飲んでみたいですね。

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