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日本OLの台湾「團購」魂:日本と台湾の会社文化の違い

日本OLの台湾「團購」魂:日本と台湾の会社文化の違い

 

先日仕事の関係でびっくりするほど甘いイチゴを食べる機会がありました。会社に戻って生産者の方にその感動を伝えたくて電話でお礼の気持ちを伝えたところ、相手はとても喜んでまたタダでイチゴを送ってくれると言ってきました。それを聞いたときはとても嬉しかったのですが、冷静になって考えてみると思う存分イチゴを食べたいけど、電話越しにたくさんのイチゴを送ってくれとは言えません。そこですぐに生産者の方に掛け合い、実際の行動で応援の気持ちを伝えたいので、直接農園からイチゴを買いたいと伝えました。相手は私の話を聞いて快諾して特別価格を作ってくれました。ここで私の体の中にある台湾人のDNAが爆発します。考えてみれば自分ひとりが数パックのイチゴを買うのでは相手に送る手間をかけてしまいます。台湾には「よいものは友人と分けなさい」(好東西要和好朋友分享)ということわざがあります。会社の同僚の力を合わせれば送料も分担できるし、私が感動したイチゴの美味しさを証明できるんじゃないか。

まったく美術のセンスはないのですが、すぐにペンをとって下手な絵を描き(絵を描くのは小学校以来でした)、10分後には幼稚園児が作ったような注文シートが出来上がりました。人に見せるのも恥ずかしい注文シートを持って、一人ひとりまわったと言うと大げさですが、同じチームの同僚たちに営業してまわりました。一人で3~4パック買ってくれる人もいて、独身の若い男の子でも私の営業力に押されて1パック買ってみようということになりました。 1 時間で 20 個あまりの注文をもらい、会社がネット上で売っている売り上げの何倍にもなってしましました。送料を減らし(もしくは分担し)、特別価格をもらえる数に届かせるために、多くの人を集めてみんなで購入するわけです。こういう買い物の仕方は台湾の会社では毎日見かけることで、中国語で「団購」、つまり「団体購入」を呼ばれています。お金はあるけど時間のない退屈な会社員にとって「団購」は買い物の手段であり、ささやかな楽しみであり、「団購」経済は台湾のネット通販で非常に大きな影響力を持っているのです。

「団購」グルメの本は沢山出版。

軽く聞いてみただけで20パックも売れるので、日本人も「団購」に対して抵抗はないのだと思います。でも台湾で根付いている「団購」の文化はなぜ日本では見かけないのでしょうか。
一つ考えられるのは、台湾の「団購」文化は台湾人の持っている二つの生活背景に関係があるということです。一つは物流が未熟なことです。受取人が家にいなければ荷物は届かないので、多くの会社は従業員が会社宛に荷物を送ることを許してくれます。もう一つは外食文化の影響です。台湾の高校には給食がないので生徒は自分で昼食を用意しないといけないのですが、台湾の母親たちにはお弁当を作る習慣もありません。そこで昼食は店でお弁当と飲み物を買ってくることになります。教室に着いたらまず友達と昼ごはんを何にする相談し、お目当てが決まったら注文シートを回覧し、同じ店のお弁当を買いたい人は自分の名前とほしいものを書き込み、代表して買いに行く友達に渡します。代表する人は店に電話をかけて注文するのですが、まとめて買うとだいたい割引があるので、浮いたお金は代表した人のポケットに入るのです。

面白いことに、「団購」にはいつもまとめ役を買って出る人がいて、「団購」の中では「団購頭」や「主催者」と呼ばれています。「団購頭」になる人には二種類あって、まず一つ目は割引やリベートを狙っている人で、もう一つは私のように特定の商品を買いたいだけという人です。

「団購」の文化はすでに台湾の職場の中に溶け込んでいるので、多くの会社は福利厚生委員会が注文をまとめていますが、それでも私のまわりの友達は福利厚生委員会が「団購」をまとめるのを嫌がります。「団購」の醍醐味は人から伝え聞くうわさやこっそり触るような神秘感ですし、福利厚生委員会がすすめてくるものよりも身近な同僚がすすめてくれるものこそが心のそこからすすめてくれるよい商品なのです!

台湾で就職している妹は実家に帰るたびに新しい種類のお菓子を持ってきて、目の前のお菓子が手に入りにくいとか買うのに時間がかかった「團購」の商品だとか得意げに話してくれます。大学を卒業してからずっと日本で働いている私は妹の「團購」OL生活が羨ましくて、今回のイチゴの「團購」は日本のOLをしている自分にそれを体験させてくれました。「團購」は単なる買い物ではなく、社内の人脈や営業手腕を試すこともできて、成功したときの達成感はノルマを達成したときよりも気持ちがいいものですよ!

最後に、会社の同僚がこの文章を読んでいませんように。

(アイキャッチ写真はある会社の「団購」の商品です。Photo by  Andy @Flickr

寄稿者情報

ミルクフィッシャー

高雄出身、現在京都在住、OL兼近江の嫁。マイブームは阪神タイガース藤浪選手。

滋賀県出身、旅行会社に勤務。一番好きな台湾の食べものは虱目魚(サバヒー)。台湾に行くなら断然食べ物が美味しい高雄がおすすめ!

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